腐女子が二次創作について語るブログ

二次創作に関する愚痴とかお悩み相談とか小説の書き方のついて書いています。

感想職人がマイナージャンルの二次創作を支えている

二次創作の小説を書いている。
同じようにネットで二次小説を読んだり書いたりしている人ならご存知とは思うが、小説は絵や漫画と比べてTwitterやpixivでいいね(ブクマ)をもらえる数が極端に少ない。どんなに人気のある小説でも同ジャンル同CPの人気絵の10分の1ぐらいのいいねしかもらえていないのが現状だ。
そういう現状を理解していれば、字書きは自分の作品に一桁しかいいねがつかなくてもまあ仕方ない、50もらえれば上出来、と思えるものだ。
もちろん、読んでいいねを押してくれる人ひとりひとりにはものすごく感謝している。とてもありがたい。
だが、コメントやリプライやDMなどで感想をもらえたときの喜びはそれとは比べものにならないほどのものだ。

ある字書きさんが、こう言っていた。自分は大抵どのジャンルでもマイナーCPにハマってしまう。需要が少ないから作品を書いても数字での反応は少ない。だが大抵どのCPのときも自分には熱烈な読者さんがいて、毎回感想をくれた。だからマイナーでも淋しさを感じずやってこれた。
この字書きさんの気持ちはとてもよくわかる。

私は同人歴もpixiv歴もTwitter歴もそこそこ長い。これまで自分が見てきた中で、マイナーでも楽しそうに創作を続けている人はだいたいこのタイプだと思う。
いいね数がたとえ一桁でも、熱烈なファンがついている。そのファンから毎日のように称賛の言葉を浴びている。
ブクマやいいねが数百、数千とかついても感想の言葉をくれる人が一人もいないのと、どちらがいいんだろう。
同じ趣味嗜好の人と交流したいと思うタイプのオタクなら、たぶん前者を選ぶだろう。

熱烈な感想をくれるファンがいなくても、せめて同じ趣味を語り合える、そして毎回必ず自分の作品を読んでくれて感想を教えてくれる、できれば誉め上手な友人がいたらいいのに……と思うことがある。
同人でのいわゆる大手サークルの作家さんなどはこのタイプが多そうな気がする。
とにかく自分を必ず誉めてくれる人がいるということは、ものすごい自信に繋がるし、書き手の精神を安定させ、創作を続けていく支えになる。

言葉の力は偉大だ。数字だけでは伝わらないものも伝えてくれる。
1通の感想文には、いいねやブクマに換算すると10~数十ぐらいのパワーがある。
短くたっていい。感想1行につきいいねを1Oもらうぐらいのうれしさがある。
3行の感想ならいいね30に相当する。

感想を伝えたいけれど語彙がないと嘆く人がいるが、そういう気持ちも私はよくわかる。素晴らしい作品に出会うと感動のあまり言葉をなくすことがある。
そんなとき、せめていいねを1回じゃなく、10回……いや1OO回押せればいいのに!何故いいねは1回しか押せないのか?と思う。
そのまま相手に伝えればいい。
「いいね100回押したいです」それだけでいい。
それで気持ちは十分伝わるし、実際にいいね100個もらうのと同じぐらい、言われた相手もうれしいはずだ。
(ランキングとかにこだわる人はそうじゃないかもしれないが、少なくともマイナーCPで活動している書き手にとってはそうだと思う)

言葉で感想をもらえることがどれぐらい嬉しいことなのかというと、私の場合は「生きてて良かった」と思うぐらいうれしい。
これまでの人生の中で、いろいろなことがあって、死にたいとか、死んでしまおうかとか、自分には生きている価値がないとか、思ったことが何度かある。
わりと深刻だった時期もある。
そのときに、もし死んでしまっていたら、今の自分はいなかった。
あのとき思い止まったおかげで今がある。
自分の作品を喜んでくれる、誉めてくれる人がいる。こんな幸せな気持ちになれるなら、あのとき死なずに生きていて良かったと心底思う。
何の取り柄もない、生きている価値もないと思っていた自分にも、誰かを喜ばせることができる。少しでも誰かの役に立つことができるんだ。そう思える。
おおげさだと思われるかもしれない。でも、本当にそのぐらい嬉しいのだ。
感想の言葉は書き手の努力や才能を肯定するだけじゃない、時にはその人の人生をも肯定してくれる。

もちろん誉めるタイプの感想でなくても、共感したことを伝えるタイプの感想もとてもうれしい。
大抵のオタクは同じ趣味嗜好の同士と語り合いたい生き物なのだ。
もしあなたが誰かに感想を送り、相手が長めの返事を返してくれたなら、その人はその作品についてもっと語りたいのだと思う。
その作品のネタや萌えポイントについて語りたいから作品にしたのだといっても過言ではないかもしれない。
二次創作をやっている人の一次と違う点はそこなのだ。想像力のあるオタクは妄想をする。Twitterやブログに妄想を書き出すだけでは物足りなくなったオタクが二次創作をするのだと思う。
語りたいのだ。
「こういうの好きです」それだけでもいい。同じネタが好きな人がいるとわかるだけでもオタクはうれしいのだ。
そしてもちろん、忙しいかもしれないのにわざわざ言葉にして伝えてくれたその気持ちも有り難い。

とにかく感想はうれしい。いいねやブクマより絶対にうれしい。そして書き手のメンタルを支える力がある。
オタ友がいないタイプの孤独な字書きの心を支えているのは、感想を書いてくれる人々なのだ。
感想を書く人には、マイナーCPの二次創作を支え、繁栄させる力がある。
もしあなたが普段から誰かに感想を伝えているのなら、その人が創作を続けていられるのはもしかしたらあなたのおかげかもしれない。推しCPの作品が今日もまたひとつ増えたのは、あなたが書いた感想のおかげなのかもしれない。
二次創作は、相当メンタルが強くないと、原作に対する萌えや愛だけでは長く続けてはいけないのだ。