腐女子が二次創作について語るブログ

二次創作に関する愚痴とかお悩み相談とか小説の書き方のついて書いています。

マイナージャンルの字書きが同人誌を作って思った事

【注意】これから書くことはただの長い愚痴です。




 私は某マイナージャンルの二次創作文字書きである。
 普段はPixivで活動している。昔は同人誌活動をしていたこともあるが、ここ十数年はオンライン専門で書いている。

 本を作らなくなった理由はいろいろあった。まず金銭的な問題。家庭の事情で即売会に参加できない問題。それから一番の理由は『本を出しても売れない』ということ。

 当時のジャンルで出した本が1冊も売れなくて、心がポッキリ折れてしまったのだ。それ以来、もう二度と本は作らないと決めた。

 印刷代を払って、高いサークル参加費を払って、交通費をかけて重い荷物を持って一日がかりでイベントに参加して、1冊も本が売れないなんて。これが二、三度続くともうバカバカしくなってしまった。なんのために苦労して本を作ったのか、わからなくなった。

 書くことが好きなら書くだけでいい。わざわざ印刷して本にする必要はない。ウェブで公開すればいい話ではないか。そう思った。
 それからはずっと自分のホームページやPixivで作品を掲載してきた。また本を作りたいという気持ちはほとんどなかった。「もし今本を作ったら何冊ぐらい売れるんだろう」と時々想像することはあった。そして、かかるであろう労力に見合わないなと思い、考えるのをやめるのだ。

 本を作るのが好き、という人は、大抵が表紙をデザインしたり装丁を考えるのが好きなんだと思う。私にはそういう趣味がまったくない。ただ、自分の作品が本という形になるのはうれしかった。ただそれだけだ。だがそれも、自己満足だけで終わるならわざわざ作る意味は見出だせなかった。

 そんな私がどういうわけか先月、十数年ぶりに同人誌を作った。初のデジタル入稿という形で。

 二度と本は作らないと決めたはずなのに、なぜこんなことになったのか。これは私の負けず嫌いな性格が原因となっている。

 私が今いるジャンルでは、なぜか『本を出している人が偉い』という風潮がある。
 そのせいか(?)Pixivにあがってくる作品数が少なく、Twitterでもあまり盛り上がっていないようにみえる。
 私は以前このジャンルで同人誌活動をしている神絵師さんとのTwitterでのやりとりの中で

「いつか抹茶さんも本を出したときは買わせていただきますね」
「いつか抹茶さんも本を出してサークル参加されたらそのときは…」

 などと何度も言われたことがある。
 そのたびに毎回頭の中に疑問符が浮かんでいた。
 なぜなら、私は一度も「いつか本を出したい」なんて言っていないのだ。
 それなのに、なぜか私がいつか本を出す前提で話されているのが不思議だった。彼女にとっては、二次創作をやっている人は全員本を出したいと思っているように思えるのだろうか。
 二次創作者の誰もが本を出すことを望んでいると?
 すでに何度も本を出していて人気のある神絵師の彼女からそう言われると、なんだか格下に見られているような気がして腹がたった。
「早く私と同じ土俵に立ってね。そうしたら作品も読んであげるし話もしてあげる」と言われているような気がした。

 今思えば、彼女にそんなつもりはなかったんだろう、深い意味なんてなかったんだろうとわかるけれど。それでもその当時は上から目線に思えてしかたなかったのだ。

 そんな中、Twitterに流れてきた情報で少部数でも安く本が作れる印刷所や、スマホだけでも本が作れるという記事、表紙デザインを代行してくれるサービスなどを知った。

 そして、仲の良い相互フォロワーさんが初めて同人誌を作り、イベントに出るということで、「抹茶さんも本作りましょうよ。委託しますよ!」とお誘いを受けた。

 それまでの私だったら断っていただろう。だが、そのとき久々に本を作りたいという欲が出てきていた。「イベント参加できなくても、委託してもらえるなら」と思ったからだ。
 それに、マイナージャンルながらもいつも感想をくださる常連さんが増えてきていて、調子に乗っていたのかもしれない。

 あの人とあの人とあの人は買ってくれるはず……と、常連さんの名前を思い浮かべ指折り数えて、もしかしたら普段は感想をくれなくても支部で反応してくれる人も買ってくれるかもしれない!などと考えて……。

 足りなくなるよりは余る方がいい。部数が多いほうが単価は安くなるし。……などと思い。
 結果、30部印刷した。
 私は馬鹿だった。10冊しか売れなかった。20冊も余ってしまった。

 しかも、その本の感想を一通も貰えていない。
 支部に上げればいつも2〜3通は感想を頂けるのに。
 結局、支部で読んで反応してくれる人は、無料じゃなきゃ読んでくれない人がほとんどなのだろう。

 売れなくても、自分の書いたものが本になることが嬉しいとか、少しでも買ってくれた人がいれば嬉しいとか、そんなふうには私は思えない。
 こんなことなら、最初から支部で無料公開すればよかった。そうしていたら、たった10人よりももっとたくさんの人に読んでもらえたのに。
 今は同人誌を出したことを後悔しかしていない。